バイオリンやチェロ等がまだ一般の人々に浸透していなかった時代に、弦楽器の“弓”の制作と修理を行う工房として60年以上も前に 福田和人 により設立されました。
以来、たくさんの弦楽器奏者の皆さんに信頼を頂き 福田弦楽弓製作所 は現在も日本では数少ない“弓”専門の製作、修理工房として御依頼をお受けしております。
バイオリンなどの弦楽器は、高度なメンテナンスのおかげで、何百年もの間愛用されているものが少なくありません。一方、弓については、修理の専門家が少ない事や弓は楽器よりも重要ではないという考えなどからか、楽器本体ほどのメンテナンスが施されずに、良さを活かしきれていない事もあるようです。
演奏される方のお心に寄り添って、一本一本の弓が実力を発揮できるようにお手伝いして、
関わる事ができた全ての弓が輝き続けるように、これからも一層精進していきたいと思っています。
本当に「よいもの」を伝えたい。
福 田 耕 八
日本の弓製作の草分けでもあった父 福田和人 より、弓の製作、修理の技術を学び、その後、イタリア・クレモナにバイオリン製作、弓製作の技術を学ぶため留学。
クレモナ在住中には、バイオリンの製作をする中で、弓と楽器の関係に興味が湧いて、その事が今現在の製作修理への情熱の源になっている。
その後、フランス・パリに渡り、ジャン・フランソワ・ラファン の工房での仕事を経て帰国。
パリ在住中は、ラファンのもとでフランスのオリジナルの修理の方法や技術を学ぶことができたが何より勉強になったのは、オールドボウのオリジナルの特徴等を毎日目の当たりにできた事である。
福田弦楽弓製作所のはじまり
創業者
福田和人(1929~2011)
静岡県生まれ。幼いころバイオリン奏者を夢見たが、父を亡くし望みは叶わず、新聞配達や駅の弁当売り等をして働き、和裁師の母を助けた。バイオリン好きであったので、近所に住む音楽の先生に勧められ、バイオリン製作者に弟子入りする為に上京した。そこの工房で主に弓の製作を任された為、後に弓の製作を専門に独立することとなった。
半世紀にわたって弓の制作と修理の第一人者として励んだ。
2人の息子に恵まれ、2人共が弓製作者である。